August 2024 Monthly Roundup/ 2024年08月 米国・グローバル最新トピックのご紹介- Covington

August 2024 Monthly Roundup/ 2024年08月米国・グローバル最新トピックのご紹介- Covington

August 2024

今月のPick Up記事は下記になります。

輸出管理規制と差別禁止法双方を遵守して雇用するためのガイダンス
PFASに関連する法規制・訴訟リスク・保険
中東における法規制等の最新動向

ご不明な点やより詳しい情報の入手等のご要望がございましたら、ジャパンプラクティス代表木本までご連絡ください。

Pick Up

[雇用／輸出管理規制／差別禁止法]

輸出管理規制と差別禁止法双方を遵守して雇用するためのガイダンス

Achieving Compliance in Hiring Under U.S. Export Control and Anti-Discrimination Laws

技術やソフトウエアソースコードへのアクセスを "U.S. Persons"に限定している輸出管理規制と、国籍や出自による雇用差別を禁じている差別禁止法とは、相反する二つの法制度であり、それぞれの例外規定、例えば輸出管理規制におけるライセンス及び差別禁止法における法令に基づく市民権要件の例外等を適切に適用することにより双方を遵守する必要があります。ところが、米国司法省(DOJ)による、国際武器取引規則(International Traffic in Arms Regulations, "ITAR") 及び米国輸出管理規制(Export Administration Regulations, "EAR")の遵守義務を誤解し移民国籍法(Immigration and Nationality Act, "INA")に違反して非米国市民を差別したとする調査・執行が絶えません。本稿では、近年のDOJによる執行事例並びにDOJが公開しているFact Sheet (２０２４年３月改訂) 及びガイダンスメモ（２０１６年３月発表）を基に、差別禁止法に抵触せずに輸出管理規制を遵守して雇用するためのいくつかのステップを紹介しており、実践的なガイダンスとして役立てていただければと存じます。

［米国／環境法／保険］

PFASに関連する法規制・訴訟リスク・保険

Navigating PFAS Liability: Emerging Regulations, Litigation Risks, and Insurance Coverage Strategies

「Forever Chemicals（永久に残る化学物質）」とも呼ばれるPFAS（poly- and perfluoroalkyl substances、いわゆる有機フッ素化合物）は、近年、米国政府による法規制の焦点となっているほか、民事訴訟も多発しており、注目を集めています。例えば、2024年2月には、食品医薬品局（Food and Drug Administration）が、PFASを含む食品包装の使用自粛を公表し、同年4月には、環境保護庁（Environmental Protection Agency）が、6種類のPFASについて飲料水の規制値を設定するとともに、2種類のPFASを包括的環境対処補償責任法（CERCLA）上の有害物質として指定しました。これに並行して、PFASを含む多様な製品（炭酸飲料水、使い捨てカミソリ、歯磨き粉など）の製造・販売業者に対しては消費者により次々と民事訴訟が提起されており、PFASが1940年代から幅広く使用されてきたことをふまえると、今や事実上全ての業界の企業が同様の訴訟リスクに晒されているといえます。このような民事訴訟においては、原告側が、過去何十年にもわたるPFASへの暴露を主張する可能性があることから、それに備えるべく、各企業においては、自社の過去の商業活動によるPFASの暴露量について調査しておくとともに、損害賠償責任がどの程度保険により補償されるか（とりわけ、過去に加入した古い保険による補償がどこまで期待できるか、また、PFASが「汚染物質」として保険契約上の免責条項に該当しないか）整理しておくことが望まれます。

［中東／コンプライアンス／海外直接投資／競争法／労働法／ESG］

中東における法規制等の最新動向

Middle East Hot Topics in 2024

本稿では、中東における法規制等の最新動向について、コンプライアンス、海外直接投資、ESG等のトピックを中心に取り上げます。コンプライアンスにおいては、近年、UAEやサウジアラビア当局が贈収賄・汚職案件に対する取締りを強化しており、また、マネーロンダリング対応についても、特にUAE当局が積極的に力を入れています。今後もその傾向が続くと予想されることから、各企業においては、中東におけるコンプライアンス体制を見直すことが望まれます。また、UAE及びサウジアラビアへの海外直接投資が急増していることも注目に値します。UAEは、海外直接投資に対する規制を緩和させ、GCC加盟国が受ける海外直接投資のうち半分以上を占めるにまで至りました。サウジアラビアにおいても、急速に拡大する経済規模の後押しを受け、今後も同国への事業移転を誘致すべく様々な優遇措置をとることが予想されます。ESG関連の動きも活発です。例えば、UAEでは、各企業のCO2排出量削減の経過を記録する国家的プロジェクトの公表や、アブダビ・グローバル・マーケットによる新たなサステナブル・ファイナンスの取組み、ESG開示義務要件の導入、ESGベンチマーク指数の公表などがなされました。カタールでも、中央銀行が、ESGリスク管理やサステナブル・ファイナンスへの資本活用に焦点を当てた、ESG・サステナビリティ戦略を公表しました。中東で事業を行う企業は、ESGの分野においても最新の動向を踏まえた対応を検討することが望まれます。

News

[欧州 AI Act が公布されました] 先月可決されたEU AI Actが官報にて公布され、各社急ぎ対応を開始されているものと思います。弊所では、EU AI Actを遵守するためのフローやステップについて、EMEA Privacy and Cybersecurity グループが用意しております。また、米国や中国等他の主要な法域におけるAI法の進展も注視しており、各法域におけるAI コンプライアンスの比較分析やグローバルなAIコンプライアンスプログラムに関するアドバイス等を依頼者に提供しております。同フロー/ステップもしくは詳細なブリーフィング等ご希望の方は木本までご連絡ください。

[Law360 Under 40 Top Attorney “Rising Star” に６名のパートナーが、Bloomberg Law “They’ve Got Next: The 40 under 40” に１名のパートナーが選出されました] Andrew Fischer (M&A)、Charlotte May (Banking)、Alexis Dyschkant (Insurance Recovery)、Nikhil V. Gore (International Arbitration)、Greg Halperin (Product Liability)、Ross Demain (Technology) が、それぞれのプラクティスにおいてLaw 360が選ぶUnder 40 Top Attorney “Rising Star”に選出されました。M&Aパートナー、Andrew Fischerの記事はこちらでご覧いただけます（Law3６０の購読が必要です）。Eric Sandberg-Zakian (White Collar)はBloomberg Lawの選ぶ “They’ve Got Next: The 40 under 40” に選出されました。

[EMEA プライベートエクイティプラクティスを拡充しています] ロンドンオフィスにLyndsey Laverack 及びJade Williams-Adedejiが加入しました。LaverackはプライベートエクイティとクロスボーダーM&Aを専門としており、ライフ・サイエンスや金融サービスなど、規制の厳しいセクターにおける取引の経験も豊富です。また、Williams-Adedejiは不動産所有に関する投資サイクル、デット投資とエクイティ投資、及び資産譲渡・譲受について幅広い経験を有しています。

[Nikkei Digital Governanceの記事にコメントしました] カルフォルニア州で審議されているAI規制法案「SB1047」に関する記事にAugust Gweonがコメントしました。SB1047を含むカリフォルニア州及びコロラド州のAI規制に関する現状をまとめた弊所ブログ記事はこちらでご覧いただけます。最新の情報はInside Global Tech ブログで随時アップデイトされますのでぜひご登録ください。

[NY州東部地区連邦検事局元刑事部長Kristin Maceが入所しました] Maceは連邦検察官として１３年以上勤務しており、直近ではNY州東部地区連邦検事局刑事部長として１１５人以上のAssistant U.S. Attorneyを監督していました。コビントンでは、White Collar Defense and Investigations プラクティスグループにて、上記豊富な経験を活かし、贈収賄、医療詐欺、証券詐欺、企業秘密窃盗、マネーロンダリング、サイバー犯罪、輸出規制違反等に関する案件を担当する予定です。

[Lindsey TonsagerがDaily JournalのTop AI Lawyersに選出されました] 弊所データプライバシー・サイバーセキュリティプラクティスの共同代表を務めるLindsey Tonsagerは、AIの使用、コネクテッド・デバイスのデータ処理、バイオメトリクス、オンライン広告、オンライン上での児童からの個人情報収集、電子メール・マーケティング、ビデオ視聴情報の開示、新技術といった分野でアドバイスを提供しています。

[ボストンオフィス開設１周年を迎えました] １周年を記念して、ボストンオフィスに在籍する弁護士らのインタビュービデオを作成しました。ぜひこちらでご覧ください。