コビントン・バーリング法律事務所より、2月に配信したニュースやブログ記事等をまとめてお送りします。
今月のPick Up記事は下記になります。
1) IEEPA関税の終了とセクション122関税の発効
2) レアアースに関するサプライチェーンリスクと政策
3) HSR Final Ruleを巡る司法判断の動き
4) 欧州委員会、外国補助金規制(FSR)ガイドラインを採択
5) 2026年に注目すべきEUプライバシー・サイバーセキュリティの主要動
向
6) 欧州委員会によるデジタルネットワーク・サイバーセキュリティ規制の
包括的見直し
7) EMEA地域の消費者保護における主要な動向
8) 民主党が下院で過半数の議席を獲得した場合に想定される議会調査・
監督の焦点
9) 国際AI安全報告書2026の公表
Pick Up
[米国/関税/IEEPA/セクション122]
IEEPA関税の終了とセクション122関税の発効
IEEPA Tariffs Terminated, Replacement Section 122 Tariffs Take Effect
先週末にも本アラートの原文を受領されているかと思いますが、2026年2月20日、米国最高裁判所は、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて課していた関税について、同法は大統領に関税賦課の権限を付与していないとして、当該関税は違憲であるとの判断を示しました。
この判決を受けて、トランプ大統領はIEEPAに基づく関税措置を終了させ(2026年2月20付けExective Orders)、米国税関・国境警備局(CBP)も2026年2月24日以降に消費目的で輸入される貨物には当該関税を課さないことを明確にしました(こちら)。他方で、800ドル未満の輸入品に対するデミニミス特例の停止については、IEEPAに基づく別個の大統領権限として引き続き有効であるとの立場を取り、停止措置は維持されています。
同時に、トランプ大統領は1974年通商法第122条に基づき、新たに一律10%の関税を導入しました(2026年2月20日付けProclamations)。このセクション122関税は、国際収支赤字への対応などを目的とする暫定的措置であり、各国を対象に、2026年7月24日までの150日間適用されます。もっとも、重要鉱物、エネルギー製品、医薬品、USMCA適合品目など、従来のIEEPA関税でも免除対象とされていた多くの品目については、引き続き例外が設けられています。
今後の見通しとしては、セクション122関税が法令上あくまで一時的な措置にとどまることから、政権はより長期的な関税賦課を可能とする他の法的権限を検討しています。具体的には、通商法301条に基づく新たな調査の開始や、1962年通商拡大法232条に基づく既存措置の見直し、さらには新たなセクターに対する調査の検討が公表されており、今後数週間のうちに追加措置が講じられる可能性があります。
一方で、最高裁はIEEPA関税に関する救済措置や還付については判断を示していないため、過去に徴収されたIEEPA関税の還付をめぐる不確実性は依然として解消されていません。仮に還付が認められる場合でも、未清算の申告、清算済みだが異議申立期間が残る申告、最終清算済みの申告といった各類型ごとの対応方法については、実務上の課題が残ります。このため、輸入業者にとっては、清算日や異議申立期限を正確に把握し、必要に応じて事後修正申告や訴訟提起を含む保全策を早期に検討することが重要となります。
さらに、IEEPA関税の終了とセクション122関税の導入は、最近締結された貿易協定にも影響を及ぼし得ます。米国政府は、これらの協定は引き続き有効であると主張していますが、EU、日本、インドなどの貿易相手国は、新たな関税が協定上の関税上限や最恵国待遇との関係で整合的かどうかについて懸念を示しています。他方で、多くの国にとっては、米国が依然として301条や232条などの強力な手段を保持している以上、交渉戦略の大枠が直ちに変化するわけではありません。今後の米国の具体的な追加措置とそれに対する各国の反応を注視する必要があります。
[中国/レアアース/HREE]
レアアースに関するサプライチェーンリスクと政策
Heavy Rare Earth Elements: Rising Supply Chain Risks and Emerging Policy Responses
本稿は、重要鉱物の中でもとりわけ重希土類元素(HREE)が、国家安全保障、先端産業、地政学の観点から極めて深刻な課題となっていることを論じています。
HREEは、永久磁石の性能向上、風力発電、医療機器、航空宇宙・防衛分野など、先端技術に必要不可欠な重要鉱物です。しかし、一部のHREEは、その鉱床が中国南部や周辺国に集中しているうえ、精製能力も中国に集中していることから、中国が事実上独占しています。
独占状況を背景に、中国はHREEを戦略資源として位置づけ、輸出管理を通じてその支配力を明確に示してきました。近年導入された輸出規制は、HREE単体だけでなく、それを含む合金や高性能磁石、さらには関連する生産設備やサービスにまで及んでおり、また、中国産HREEを使用する第三国企業の再輸出にも中国政府の許可が必要であると規定しています。これは、中国が、国際サプライチェーン全体に対する影響力を強化し、航空宇宙・防衛分野を含む戦略分野に圧力をかける手段を手にしたことを意味します。また、中国が、日本に対して、首相の台湾に関する発言を受けて、両用品目輸出管理条例(こちら)を改正し、HREEを含む特定永久磁石その他の両用技術の輸出を禁止すると発表したことは、かかる影響力を行使しようとする中国の戦略を示しています。
各企業におかれましては、HREEを含む重要鉱物へのアクセスの確保は、各国政府にとって難しい課題であり、関連する政策の変更や異例の措置が実施されることもあり得ることをご認識ください。
[米国/競争法/HSR/司法判断]
HSR Final Ruleを巡る司法判断の動き
Federal Court Vacates Revised HSR Rule
Fifth Circuit Temporarily Stays Order Vacating Revised HSR Rules
これら2つの記事では、2025年2月に施行された米国Hart Scott Rodino法(“HSR法”)に基づく事前届出規則の大幅改正(いわゆるHSR Final Rule)を巡る(この改正については、こちらの記事もご確認ください。)、連邦裁判所及び控訴裁判所の判断と、その実務上の影響について解説しています。問題となっているのは、連邦取引委員会(Federal Trade Commission:“FTC”)が導入した新たな届出様式・情報提出義務が、HSR法上の権限の範囲を超えるか否か、及びそのコストと便益のバランスが合理的かどうかという点です。
一つ目の記事では、テキサス州東部地区連邦地方裁判所が、HSR Final Ruleを無効と判断した決定の概要が紹介されています。同裁判所は、HSR法がFTCに認めているのは、競争法の執行に「必要かつ適切」(“necessary and appropriate”)な情報提出を求める権限に限られるとした上で、今回のHSR Final Ruleについて、FTCがその便益が「重大かつ広範なコスト」(“significant and widespread costs” )を合理的に上回ることを十分に示していないと判断しました。また、より負担の軽い代替案を退けた理由について十分な説明がなされていないとして、行政法上「恣意的かつ不合理」(“arbitrary and capricious”)であるとも指摘しています。もっとも、裁判所はFTCに控訴の機会を与えるため、判決の効力を7日間停止しました。
二つ目の記事では、その後の控訴審段階での動きを取り上げています。FTCは地裁判決を不服として第5巡回区控訴裁判所に控訴するとともに、判決の効力停止を求めました。これを受けて控訴裁判所は、FTCの申立てを検討する間、地裁判決の効力を一時的に停止する「行政的執行停止」(“a brief administrative stay”)を認めました。この結果、少なくとも当面の間は、HSRの届出は引き続き新様式に基づいて行う必要がある状況が維持されています。
[EU/外国補助金規制/FSR/ガイドライン]
欧州委員会、外国補助金規制(FSR)ガイドラインを採択
The European Commission adopts the Foreign Subsidies Regulation Guidelines
2026年1月9日、欧州委員会は、FSRガイドラインを採択しました。本ガイドラインは、①歪曲性の分析手法、②歪曲性が認められる場合の負の効果と外国補助金による正の効果の比較考量、③欧州委員会の「呼び出し権限(コールイン)」権限の行使方法が示されており、本稿でもそれぞれの点について解説しています。
FSRガイドラインは、実務上の評価手法を具体化した点に意義がありますが、FSRの適用範囲が過度に広いとの懸念、すなわち、競争上の問題がない取引や入札であっても、煩雑な報告や分析を求められる状況が続く点は依然として残っています。
EU域内で事業を行う企業は、大規模なM&Aや高額な公共調達案件に限らず、より広範な取引についてFSRリスクを事前に検討する必要があると考えられます。
FSRの解説につきましては、過去の記事(What Does the New EU Foreign Subsidies Regulation (FSR) Mean for Companies Doing Business in the EU?)をご参照ください。
[EU/プライバシー/個人情報/AI/サイバーセキュリティ]
2026年に注目すべきEUプライバシー・サイバーセキュリティの主要動向
What to Watch in 2026: Key EU Privacy & Cybersecurity Developments
本記事では、2026年におけるEUのプライバシー、AI及びサイバーセキュリティ分野の注目すべき内容の概観を、①規制の簡素化、②執行の動向、③EDPBガイドラインの見通し、④AI法制の台頭、⑤Data Actの実施、⑥サイバー分野の動向に分けて解説しています。詳細は本記事をご確認いただければと思いますが、①規制の簡素化については、欧州委員会が提案するデジタル・オムニバス・パッケージ(Digital Omnibus Package)により、GDPRを含むデジタル規制の簡素化・合理化が進められていくこと(詳細については、こちら及びこちらの記事もご確認ください。)等を説明しています。②執行の動向については、GDPR上の透明性義務が2026年の重点テーマとされ、監督当局による調査・制裁の強化が進み(この点については、こちらの記事もご確認ください。)、また、GDPR手続規則(GDPR Procedural Regulation)の施行により、越境案件の処理がより制度化・効率化され、執行の厳格化が進む見込みであること等を解説しています。これに加え、③欧州データ保護会議(European Data Protection Board : EDPB)が、正当利益や匿名化・仮名化、GDPRとDSAの関係等に関するガイドラインの策定・最終化を進める予定であり、実務上の解釈枠組みに重要な影響を与える可能性があります。④AI法制の台頭については、AI Actに基づく高リスクAIシステムに関する義務の適用が段階的に進み、加盟国レベルでの実施体制整備も進展していくこと等を、⑤Data Actの実施に関しては、2025年9月から適用されているB2Bデータ共有義務(B2B data sharing requirements)や不公正条項規制(unfair contractual terms)に続き、2026年9月からはコネクテッド製品に関するデータアクセス義務等が適用対象となること等について言及しています。さらに、⑥サイバー分野の動向について、NIS2指令(NIS2 Directive)の国内法化と監督体制の本格稼働に加え、2026 年9月からのCyber Resilience Actの適用開始により、製品レベルでのセキュリティ確保及びインシデント報告体制の強化が求められること、関連法令の改正提案も進められており、EU全体でのサイバー・ガバナンスの再構築が進行している旨を解説しています。以上のとおり、2026年はEUデジタル法制が「立法の年」から「実装・執行の年」へと本格的に移行する転換点となり、企業には統合的かつ先手を打った対応が一層重要となる見込みです。
[EU/通信/サイバーセキュリティ]
欧州委員会によるデジタルネットワーク・サイバーセキュリティ規制の包括的見直し
Seven Major Changes in the European Commission’s Proposal for an EU Digital Networks Act
European Commission Proposes Targeted Amendments to NIS2 to Simplify Compliance and Align With Proposed Cybersecurity Act 2
European Commission Proposes Cybersecurity Act 2: New EU Supply Chain Rules and Certification Reforms
これら3つの記事では、2026年1月に欧州委員会が公表した、デジタル・ネットワーク法案(Digital Networks Act:“DNA法案”)、NIS2指令(Directive (EU) 2022/2555 (NIS2))の改正案、及び改正サイバーセキュリティ法案(Cybersecurity Act 2:“CSA2”)について解説しています。これらは、電子通信ネットワーク規制とサイバーセキュリティ規制をEUレベルで一体的に見直す包括的な立法パッケージを構成しており、加盟国ごとに分断されてきた認可、技術要件、監督の枠組みを調和させることを共通の目的としています。これらの法案は、2026年を通じて欧州議会及び理事会で審議される見込みです。
一つ目の記事では、現行の欧州電子通信コード(European Electronic Communications Code)等を置き換える包括的な規則として提案されたDNA法案の概要が紹介されています。DNA法案は、指令(Directive)ではなく規則(Regulation)として直接適用されることにより、加盟国間で異なっていた電子通信事業の認可・規制枠組みを統一する点に最大の特徴があります。単一の認可制度、いわゆるパスポート制度の導入により、1加盟国で認可を受けた事業者が、他の加盟国でも原則として通知のみで事業を展開できる仕組みが構想されています。あわせて、周波数(スペクトラム)政策についてもEUレベルでの統一が進められ、利用権の原則無期限化や、未利用周波数に関する一定の利用義務を通じて、周波数の効率的活用と域内スケールの拡大が図られています。さらに、衛星通信分野ではEU単一の認可・監督制度が提案され、ネット中立性原則を維持しつつも、セキュリティ確保や特定用途向けサービスに関する柔軟性が一定程度認められる内容となっています。
二つ目の記事では、NIS2指令の改正案を取り上げ、EUサイバーセキュリティ枠組みの簡素化と実効性強化の方向性が示されています。改正案では、欧州委員会が実施規則を通じて技術的要求事項を定め、加盟国による上乗せを制限することで、EU全体での基準の一貫性を高める仕組みが導入されます。また、ランサムウェア攻撃に関する報告義務が強化され、企業に求められる情報提供の範囲が拡大されています。さらに、サイバーセキュリティ認証の役割拡大も提案されており、ICT製品やサービスに加え、組織全体のセキュリティ成熟度を評価する認証を、NIS2上の安全管理要件の証明として活用する枠組みが検討されています。これにより、一定の場合には監督や監査の重複が緩和される可能性があります。
三つ目の記事では、Cybersecurity Actを改正・置換するCSA2の内容が解説されています。CSA2は、EU法上初めて、ICTサプライチェーンにおける非技術的リスクを横断的に規制する枠組みを導入する点に大きな特徴があります。欧州委員会は、高リスク第三国やその国が支配する事業者を指定し、該当サプライヤーの排除や供給元の多様化等を義務付ける権限を有し、特に電子通信ネットワーク分野では、より厳格な対応が想定されています。また、CSA2は欧州サイバーセキュリティ認証枠組みを拡張し、組織全体のサイバーセキュリティ成熟度評価を含む形へと発展させるとともに、EUサイバーセキュリティ機関であるENISAの権限と役割を大幅に強化します。ENISAは、政策的な支援に加え、インシデント対応やリスク分析といった実務面でもEUレベルの中核的機関として位置付けられることとなります。
[EMEA/消費者保護]
EMEA地域の消費者保護における主要な動向
What to Watch in 2026: Key Developments in EMEA Consumer Protection
EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域の消費者保護法制は、デジタル化やAIの活用拡大、オンライン取引の成長を背景に、2026年に大きな節目を迎えます。今年は、新たな規制の導入のみならず、既存の法令の執行が本格化することが特徴です。
EUでは、消費者権利と製品規制を横断する改革が進みます。消費者権利指令の改正により、オンライン契約における「解約ボタン」の義務化、指令(EU)2024/825及びその実施規則の法制化による保証通知や耐久性ラベルの導入により、消費者への情報提供と契約解除がより容易になります。また、Digital Fairness Actの成立が見込まれており、インフルエンサーマーケティング、消費者対応におけるAIチャットボット、パーソナライズ広告・価格設定、デジタルサブスクリプションに対する規制が一段と明確化される見通しです。あわせて、AIやソフトウェアを含む製品責任、サイバーセキュリティ上の欠陥に関する責任の明確化も進みます。サステイナビリティの分野では、新たなRight to Repair Directive の適用開始やDigital Product Passportの導入が進展し、製品の修理可能性や環境情報の透明性が重視されます。さらに、Greenwashing DirectiveやPackaging and Packaging Waste Regulationにより、環境表示やサプライチェーン管理への対応が不可欠となります。また、域外適用についても、EUレベルでの権限強化が検討されており、違反に対するリスクは高まっています。今年および今後4年間に計画されているその他のEU消費者保護イニシアチブについては、過去の記事(European Commission Announces 2030 Consumer Policy Strategy)をご参照ください。
英国では、2026年は、近年成立した法令の運用と執行の年となります。 Subscription contract rulesにより、解約のしやすさや情報提供義務が強化されます。また、競争当局によるオンライン価格表示やダークパターンへの調査が進み、執行やガイダンスの更新が見込まれます。
中東・北アフリカ地域でも、デジタル広告や価格透明性に関する規制と執行が強化されています。UAEではSNS広告に許可制が導入され、高額な制裁金も規定されています。ADGMやカタールでも、消費者権利や価格管理に関する新たな枠組みが整備されています。
各企業におかれましては、契約条件、広告・表示、価格設定、製品設計を含む全体的なコンプライアンス体制の見直しが重要になることにご留意ください。
[米国/中間選挙/議会調査]
民主党が下院で過半数の議席を獲得した場合に想定される議会調査・監督の焦点
Democratic Investigations Agenda is Coming Into Focus
本記事では、2026年11月に実施される中間選挙において、民主党が下院で過半数の議席を獲得した場合に想定される議会による調査・監督の方向性について概観しています。民主党は、選挙に向けて、生活費の高騰や経済的公正を主要な争点として掲げており、議会による調査や監督でもこれらの点に重点が置かれるものと見込まれます。
これを踏まえ、本記事では、①トランプ政権と民間企業との関係に対する監督の強化、②生活費高騰に関連する分野への包括的な調査、③生成AIや暗号資産等の新技術分野における消費者保護・コストの影響を巡る監督の拡大、という三つの観点から、今後想定される議会の動きを整理しています。
まず、①トランプ政権と民間企業との関係については、民主党が、同政権下での利益誘導、縁故主義、汚職の疑い等を強く問題視しており、これらを中心に調査を進める姿勢を明確にしている点を指摘しています。これに伴い、政府と取引関係を有する企業や個人についても、政権との関係性や取引の経緯が調査対象となる可能性があります。また、行政府からの説明や資料提出が不十分な場合には、不正の直接的な疑いがない場合であっても、民間主体に対して議会が直接文書提出を求める展開も想定されています。
次に、②生活費高騰への対応に関する監督として、住宅市場における機関投資家や外国投資家の影響、食料品、配車サービス、航空会社等で利用されるアルゴリズムによる価格設定、公共料金の上昇、さらには医療保険会社や製薬企業の価格慣行など、幅広い分野が調査対象となり得ることが示されています。
さらに、③新技術分野については、生成AI、データセンター、暗号資産といった領域を中心に、消費者保護、プライバシー、国家安全保障、電力コストへの影響といった観点から、議会による監督が強化される可能性があると論じています。とりわけ、これらの論点は複数の委員会の所管にまたがる性質を有しており、新議会発足後、短期間のうちに複数の委員会から照会や調査が行われることも想定されます。
以上のとおり、本記事は、民主党多数派の下で想定される議会監督の重点分野を俯瞰し、企業にとっては、2026年以降の新議会を見据えた体制整備や迅速な対応準備が一層重要となることを示唆しています。
[AI /国際共同研究]
国際AI安全報告書2026の公表
International AI Safety Report 2026 Examines AI Capabilities, Risks, and Safeguards
2026年2月3日、第2回国際AI安全報告書が公表されました。本報告書は、汎用人工知能(GPAI)の能力とリスクを科学的根拠に基づいて整理した国際共同研究であり、具体的な規制提言ではなく、政策判断のための基盤を提供することを目的としています。
報告書によれば、GPAIは対話、コード生成、画像・動画作成、研究支援などで急速に能力を高めている一方、長期的・複雑なタスクや高い自律性を要する領域では依然として限界があります。リスク面では、詐欺やディープフェイクなどの悪用、誤作動や制御困難化、労働市場や人間の自律性への影響といったシステム的リスクが指摘されています。
リスク管理については、単一の解決策は存在せず、評価、技術的対策、監視、インシデント対応を組み合わせた「多重防御」と社会的レジリエンスの強化が重要であると結論づけています。本報告書は、今月下旬開催のインドAIインパクトサミットを含む今後のAI規制に関する議論の重要な参照資料となると考えられます。
News
[テクノロジーM&Aチームが拡充されました] テクノロジー分野のM&Aで国際的に高い評価を受けるJohn Fisher及びTomas RuaがPalo Altoオフィス及びNYオフィスに加入しました。両氏は、AIやデジタルプラットフォームなど先端技術分野における米国およびクロスボーダーM&Aに豊富な実績を有しています。コビントンは、五大テクノロジー企業中4社を含む、1,600社以上のテクノロジー企業に助言を行う世界有数のテクノロジー・プラクティスを有しており、今回の体制強化により、規制・政策面も含めた高度で実践的なM&A支援を一層充実させてまいります。
[ジャパンプラクティス共同代表木本が6年連続でChambers Globalに選出されました]先日発表されたChambers Global 2026ランキングにおいて、コビントンの50のプラクティスと 89人の弁護士が選出され、コビントンは最も多くのランキングを獲得した事務所の一つとなっています。ジャパンプラクティス共同代表を務める木本泰介もJapan Corporate/M&Aプラクティス分野で6年連続の選出となりました。
[European Life Sciences Coalitionに創設メンバーとして参画しています] European Life Sciences Coalition(ELSC)は、投資家、バイオテック企業、研究機関など業界の主要ステークホルダーが連携し、欧州におけるライフサイエンス・イノベーションへの官民投資を促進することを目的としています。コビントンは、国際取引における豊富な経験と深い規制・政策知見を活かし、創薬・バイオテックの初期段階からグローバル企業に至るまで、ライフサイエンス分野で他に類を見ない強みを有しています。
[元連邦検察官Timothy Visserがコビントンに復帰しました] Visserは、連邦検察官として汚職、詐欺、贈収賄等に関する複雑な捜査・公判を主導し、また前司法長官Merrick GarlandのCounselorも務めました。これらの豊富な経験を活かし、企業不祥事や政府調査対応おいて確かな支援を提供します。
Practice Spotlight — 関税プラクティス
ご案内の通り、2月20日(米国時間)に米国最高裁判所よりIEEPA関税の違憲判決が下され、米政権は直ちに新たな関税に切り替える措置を講じています。ただこの措置は「1974年通商法122条」に基づく150日間限定の措置で、今後もどのような関税措置が講じられるか、予断を許さない状況です。トランプ政権発足以降、関税規制の遵守はこれまでになく複雑化し、かつ、企業にとって大きな影響を及ぼしています。一方で、移転価格の見直しやサプライチェーンの再構築といった戦略的な対応を通じて関税負担を軽減し、自社製品の競争力を相対的に高めるチャンスを窺う企業もあります。コビントンのInternational Tradeチームは、米国への輸入関税に関するコンプライアンスを包括的にサポートするとともに、IEEPA関税還付手続きを含め、次々と変化する状況を的確に捉えた戦略的アドバイスを提供しています。また、同チームには、米国国際貿易委員会(ITC)元委員長をはじめ、政府機関での豊富な実務経験を有するメンバーが在籍しており、税関・国境警備局(CBP)をはじめとする関係当局との対応に強みを有しています。特に、トランプ政権の方針により、CBP及び司法省(DOJ)による執行リスクが一段と高まっている状況を踏まえ、White Collar Defense and Investigations チーム及びFalse Claims Actチームと緊密に連携し、平時のコンプライアンスから有事における調査・紛争対応に至るまで、総合的かつ一貫したなサポートを提供しています。
Webinars
開催済のWebinarもOn Demand配信をしている場合がありますので登録ボタンからご確認下さい。なお、配信は予告なく終了されますのでご了承下さい。Webinar に関するご質問その他のご要望がございましたらジャパンプラクティス代表木本までご連絡ください。
Alerts
毎月複数のアラートを送信しております。コビントンではWebinarも数多く開催しており、アラートにご登録いただくと、Webinar情報もタイムリーにお届けできます。ぜひこちらでご登録ください。
Blogs
多彩なプラクティスグループがブログ記事を発行しております。AlertのSubscription とは別になっておりますので、こちらもぜひご登録ください。
Global Policy Watch
Inside Class Actions
Inside Energy & Environment
Inside EU Life Sciences
Inside Global Tech
Inside Government Contracts
Inside Jobs
Inside Political Law
Inside Privacy
ご不明な点やより詳しい情報の入手等のご要望がございましたら、担当イノウエまでご連絡ください。配信停止をご希望の方はこちらから。